4日目はドゥルンスタインへ
この日はバスでアウトバーンを走り、ドナウ上流の
世界遺産ヴァッハウ渓谷にあるワインと歴史の町
ドゥルンスタインへ向かいました。
メルクの僧院 ドナウに浮かぶ大型観光船
ウィーンから約1時間、大きなメルクの僧院を過ぎた
あたりで何カ国もの国境をこえてドナウ川を航行
する、何隻もの寝室付きの観光船が見えてきて、
ヨーロッパの大河ドナウを実感できます。
さらに行くとぶどうの段々畑の先に、
ドゥルンスタインが見えてきます。
ドナウに美しいシルエットを落とす白い教会の
塔がヴァッハウ渓谷のシンボルとなっています。
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美しく青きドナウ |
王が閉じ込められていた城の遺跡 |
リチャード獅子心王
今から800年前、第3次十字軍としてエルサレムへ
向かったイギリスのリチャード獅子心王がイギリスへの
帰途、この国の国王とトラブルを起こして捉えられ、
この町にある山の上の城に幽閉されたという歴史が
あります。
吟遊詩人に扮して、王のために昔作曲した歌を歌って
王の行方を探していた騎士が、この城からの同じ歌を歌う
王の声を聞き、この騎士の知らせでイギリス軍が救助に向かい、
莫大な身代金と引き換えに王は釈放されたという中世らしい
物語が残っています。
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名産のワインやあんず酒 |
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ここでは、ヨーロッパで古い城や邸宅などを改造して作られた有名な「ロマンチック・ホテル・チェーン」の
会員ホテルとして知られる、その名も「リチャード獅子心王ホテル」を訪れました。
このホテルは、昔の修道院を改造したもので、レストランはドナウをすぐ下に見下ろす景色が有名です。
私たちのきょうのメニューは、シェフと長い期間をかけてご相談した結果、名産の鱒を丸ごと一尾と
旬の白アスパラガスをメインにした料理に決定。 もちろん名産の素晴らしいワインもたくさんおかわりを
いたしました。
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横野律子グループ御一行様のきょうのメニュー |
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ドナウ河を真下に見下ろす庭に特設のレストラン |
お食事の後は、ドナウの川岸を散策の後、
バスで一路ウィーン空港へ。
次の目的地のザルツブルクへ向かいました。
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ザルツブルク1日目
ウィーンから50分のフライトで、夕方ザルツブルクに到着。
旧市街のホテルに落ち着いた後、そばのモーツアルト広場を
散策しながら、伝統的なレストラン「K&K」(カーウントカー)で
伝統的な食事をしました。
伝統のレストラン「K&K」
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ザルツブルクの中央を流れるザルツアッハ川
モーツアルト橋
モーツアルト広場 |
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ザルツブルク2日目
ホーエン・ザルツブルク城
きょうも朝から快晴、朝早くホテルのそばにある
モーツアルト広場を通って、ケーブルカーの駅に行き、
ホーエンザルツブルク城に登り、中世のままの町の
景色を楽しみました。
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「馬の水飲み場」から城を望む |
城からのながめ、ザルツアッハ川をはさんで手前が旧市街、むこうが新市街 |
ザルツブルク(塩の城)という名前のこの町は、古くからこの地域でとれる岩塩の取引の
中心地として繁栄を続けてきました。
8世紀にはカトリックの大司教が領主を兼ねて一帯を統治し、国王の力をもしのぐ教会国家の時代は
1000年以上にわたり続きました。
壮麗な教会や宮殿が立ち並び、世界遺産に登録されたこの街は、中世のままの姿を今も残し、
世界中からの観光客を集めています。
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大司教の夏の離宮、ヘルブルン宮殿
このあと、郊外のヘルブルン離宮に向かいました。
ここは17世紀に大司教が建てた夏の宮殿で、水力を使った様々な仕掛けが楽しく、
いきなり水が飛び出して来て、子供たちはずぶぬれになり、一日中入場者の歓声が絶えない場所です。
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屋外の食卓には床や椅子から水が飛び出す仕掛けがあり、ゲストが
着席したところで大司教が合図を送り、水を出させて全員をずぶぬれにしたという。
テーブルからも大量の水が噴き出すことを知っている現代ッ子の観客たちは、
いつでも逃げ出せるように全員後ろ向きに座っている。
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私たちがこの宮殿に来たもう一つの理由は、ここの「アトリエ」というレストランがリニューアル・オープンして、
このところ大人気で、ザルツブルク郊外のレストランとしては、今最も注目されているからです。
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ここのメニューにも旬の白アスパラガスを加えていただきました(レストラン・アトリエ)
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ちょうど祭日のこの日は、宮殿の中庭でクラシックカーの展示会が開かれており、大勢のファンが集まって
賑わっていました。
なんと戦前の1929年創立の、「ザルツブルク・クラシックカー・クラブ」の80周年記念のイベントで、
会員の車170台のうち今でも走れる車100台がここへ走ってきて展示されていました。
このうちの整備されて登録済の、正式のナンバープレートを持つ60台が、午後から旧市街を交通止めにし、
轟音を響かせて「ゆっくりした」スピードで、レースならぬパレードを繰り広げ大変な騒ぎでした。
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ザルツブルクとこの地方一帯の素晴らしさと、景観の美しさを世界に知らしめたのは、何と言っても1965年に公開された
ハリウッド映画「サウンド・オブ・ミュージック」でしょう。
この町にはいたるところに、この映画に撮影された場所が点在していますが、このヘルブルンには、撮影に使われた
あずまや「ガラスの家」が今も残されています。
ここはトラップ大佐が愛をささやくシーンや、長女が「もうすぐ17才」を歌うロマンチックなシーンに使われています。
このガラスの家は撮影当時は、トラップ大佐の家とされた、レオポルツクロン城にありましたが、その後ここへ移されています。
ここは毎日観光客が記念撮影をしようと列を作る超過密スポットですが、私たちはここで記念撮影をした後、
有名な「ドレミの歌」のフィナーレのシーンが撮影された、新市街の「ミラベル宮殿」へと向かいました。
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ハリウッド映画「サウンド・オブ・ミュージック」に使われた「ガラスの家」 |
ミラベル宮殿
ミラベル宮殿よりホーエン・ザルツブルク城を望む |
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ミラベル宮殿は17世紀に大司教が愛人のために建てさせたと
言われていますが、火災のため1818年に現在のクラシック様式で
再建されました。
ここは現在、市役所や図書館として利用されていますが、
モーツアルトがコンサートを開いた有名な「大理石の間」は、
市役所で婚姻届に署名して婚姻が成立するこの国では、
希望する市民の(有料の)署名の式場としても使われています。
日本人のカップルからも特別に申し込みがあるほど大人気だとか。
また、この宮殿の庭園を歩くと、そこかしこに映画「サウンド・オブ・
ミュージック」に出てくるシーンがあり、映画ファンには見逃せない
場所です。
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ザルツブルクでのショッピング
ザルツブルクは一年中世界中から観光客が集まる場所だけに、
ショッピングの町としてもなかなかあなどれない素晴らしさがあります。
有名ブティックをはじめ、民族衣装やアクセサリー、それに陶器など
ここでしか手に入らない商品も充実しており、十分楽しめます。
この日の残りの時間を利用して、旧市街の中心ゲトライデ通りで
ツアーの皆さんにショッピングのご案内をしました。
モーツアルト博物館(楽聖の生家)のプレート
1756年1月27日ここで生まれる
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ゲトライデ通りにあるモーツアルトの生家 |
中世のたたずまいをそのまま残したゲトライデ通りは、この鉄製の
看板が有名です。 何を売っているのかがひと目でわかるように
考えられたアイデアがそのまま形になったデザインですが、
最近はハンバーガーのマークや、国旗がついた看板などが見られ、
そのコマーシャリズムにまゆをひそめる人もいます。 |
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ザルツブルクの旧市街の中で特に目立つのは各種のスパイスやドライフラワーを組み合わせて作る
スパイス・ブーケを売るお店が多いことです。 スパイス・ブーケはこの地方が発祥の地と言われていますが、
伝統工芸も作る人が少なくなったせいでしょうか、お店の数も昔に比べるとずいぶんと少なくなりました。
そうした中で、私たちのツアーの中にはスパイス・ブーケを勉強する方が多く参加されていて、皆さんの関心は
ブーケはもちろんのこと、その材料となる花や木の実に向いているようで、街角にさりげなく植えられている
花の写真を撮ったり、木の実を集めたりしていました。
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西洋にわとこ(エルダー・フラワー)がどこでも満開でした
香りがよくて、シロップにしたりフリッターにして
粉砂糖をかけて食べる。 発汗作用があるため、風邪によく効くという
庭に咲いた花を折って私たちに渡してくれた、その家の奥さん
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大木に咲くアカブナも満開でした
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ザルツブルク 3日目
伝統の街だけに、ここは今でも100種類もの酢を売る古い専門店です
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これだけたくさんの種類の酢を見ると、
中世の店に迷い込んだかのような錯覚を起こします
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イチゴの酢を自転車型の容器に入れている
(中味だけは100ccで340円)
出来るものなら、自転車に入ったこのイチゴの酢を
このまま買って帰りたいと思いました。
間もなくチェリーとあんずの酢も出るそうで、
サラダがおいしくなることでしょう |
どこの町でも、市場を見るといろんな意味でその市民の暮らしが
わかるといいますが、ザルツブルクでも旧市街のグリューンマルクトと
呼ばれる青空市場を見ると、庶民の食生活の様子がわかります。
ここはゲトライデ通りの裏に当たる大学広場というところに
出されているマーケットで、野菜、果物、花、肉、ハム、ソーセージなど
あらゆる食べ物から立ち食いの屋台まであり、観光客も簡単な食事を
しています。
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ホテル近くの行列ができる街角のアイス屋さんです
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それにしてもこの国の人はアイスがお好き |
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ザルツブルク最後のこの日は、こうして各自自由行動でショッピングや散策をしました。
夜は旧市街の由緒ある建物を見ながら歩いて、旅の最後の夜の夕食へと向かいました。
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創業802年、現在も営業しているレストランでは
ヨーロッパ最古という1200年の歴史を誇る「聖ペーター レストラン」 |
今夜の私たちの「フェアウエル・ディナー」のメニューです |
今この町で咲いているエルダー・フラワーの
ソースを使ったおだんごのデザート
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おいしいお料理とワインのフェアウエル・ディナーが終わり、初夏のようなザルツブルクの夜風にあたりながら、
旧市街の石畳に私たちだけの靴音を響かせながら、ホテルへと帰りました。
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1年間をかけて準備したツアーも、いつもそうですが、終わってみるとあっという間の8日間でした。
私の教室で、料理やチロリアン・スパイスブーケを勉強している皆さんには、今回のツアーで
見て、感じたことをこれからも十分に生かしていただきたいと心より願っております。
最後になりましたが、このツアーを企画していただきました、朝日カルチャーセンター福岡、
実施に当たられました(株)ツアー・アラカルトに感謝申し上げます。
それから「日本オーストリア交流年2009」の企画としてご支援いただきました、
オーストリア大使館、また側面からご協力いただきました、在日ウィーン代表部をはじめ
オーストリアの各団体の皆様には心より厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
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